夢見るつばめ vol.3

好きを詰めた、ZINEを作ろう。

誰から頼まれたわけでもないのに、
特に誰かの役に立つかもわからないものを、
勝手に創作する力って尊い。

何よりも、楽しい。

こんにちは!つばめの森編集部のあまのさくやです。

私は、紫波町の地域おこし協力隊として働きつつ、絵はんこ作家・エッセイストとしても活動しています。
私の紫波町での主な仕事は、心を動かされるような活動や、町内で起きている魅力的な出来事を伝えること。
町内の人にとっては一見当たり前で、わざわざ言わなくても……と思われるようなことを、あえて言葉やイラストで可視化して伝えること、そして自分自身が楽しんでいる紫波町での暮らしも発信すること!が主なお仕事です。

昨年は「ふるさとCM」の制作を担当。
ペーパークラフトを少しずつ動かして撮影するコマ撮りアニメを作りました。

私がつば森でやりたいことは、「ZINEづくり部」です。
「ZINE」って、聞いたことありますか?

ZINEの一例

ZINEの由来はMAGAZINE(マガジン)。商業出版のような雑誌ではなく、自主発行で作るマガジンや冊子のことをZINE(ジン)と呼びます。最近は趣味的に簡単に綴じられたものから、デザイン性の高いものや製本が凝ったものまで多様に発行され、ZINEを中心に取り扱う書店も増えてきています。内容は、イラストやエッセイ、詩や小説、写真……などなど多種多様。ルールがないのがZINE、なのだそうです。一般的には少部数発行のものであることから、リトルプレスと呼ばれたりもします。

先日「ZINEを作りたい!」という人たちで集まった日の様子
印刷において大事な「紙選び」。
紙見本をキャーキャーと眺める参加者さんたち。

最近ふと思い出したのですが、私は小学4年生のときに、『チャッキー新聞』という新聞を自分で発行していました。いや、チャッキーとは何かというと、年が9歳離れた私の弟のあだ名です。私が9歳のとき、この世に産まれ落ちた弟の存在が不思議で可愛くてしょうがなくて、この素晴らしさを世界(主に親戚)に伝えたい!という気持ちが強くあったのです。思えばこれが、私にとってのはじめてのZINEだったかな?と思います。

日々、弟を世話したり観察する中で、新しい言葉をしゃべった!とか、こんなことで泣いちゃった!という出来事を一生懸命集めて発刊を重ね、購読者は着々と増えていきました(親戚内で)。書いた内容で唯一覚えているのは、お土産でもらった“ヨックモック”の細長いお菓子、“シガール”の話。私たち家族内では取り合いになるほどの人気で、弟チャッキーがそのお菓子のことを長らく「おきゃくさんのくえたやちゅ(お客さんがくれたやつ)」と呼んでいた……という内容のもの。こういう取るに足らない話は、忘れたくない大切な思い出なのに、記録しないと意外とあっという間に忘れたりする。私も書いたことで覚えていられたのだろうと思います。

自分の思いを詰めた、ZINE。

ZINEワークショップで生まれた作品たち

ある日のワークショップで生まれた作品たちは、本当に多種多様でした。

・『京都』 :表紙のちぎり絵もかわいい、京都で出会った気になる景色を集めた写真日記
・『サウナ人』:近隣のサウナ通いチャレンジの独断と偏見しかない結果報告&マップ
・『わたしたちのトリセツ❤︎』:「○○さんの取扱説明書」という紙に書いてもらった回答を貼り一冊にまとめたもの
・『紫波移住日記vol.1』:紫波町に移住して1ヶ月以内に食べたもの絵日記
・『Summer かなざわ』:予算と日程を決め、夏に行きたい金沢旅行の旅程を組んだもの

振り返れば私の『チャッキー新聞』にせよ、今回のワークショップで作ったものも…みんな、誰から頼まれたわけでもないのに、好きなものを、作っている。

誰かのための創作もとてもとても大事だけれど、誰かの役に立つかもわからないものを、勝手に創作する力もまた、尊いなあと思うわけです。その経験は、自分を構成する大事な糧になっているなと思います。

少ないページ数であっても、冊子を、本を一冊作るという過程には、「何を書きたいか?」「どんな人に伝えたいか?」「どんな紙を使えばいいか?」など、考えることがたくさんあります。それらを乗り越えて一つの形になった時の喜びといったら……。気がつけばいつの間にか2冊目、3冊目、と構想が広がってしまう楽しさです。

東京と中継をつなぎ、リモートで印刷工場見学も行った

一度やり始めたら、内容もさることながら、紙や印刷、製本など…だんだんとこだわるポイントが増えてくるかもしれません。ああ、自分の頭の中にあるこれを、形にできたら、自分が嬉しい。いつか、自分で思い通りのものを作れたらもっともっと楽しい。

はじめてはみんな、手探りです。一緒に手を動かしてみませんか?

記事を書いた人

・あまのさくや

絵はんこ作家・エッセイスト・紫波町地域おこし協力隊。
初のエッセイ本『32歳。いきなり介護がやってきた。』を刊行。
Podcast番組『移住ZINE』も始めました。


紫波移住日記note: 
https://note.com/sukimajikan

移住ZINE instagram:
https://www.instagram.com/zine_relocate