つばめのたからものvol.3

「プラモデル」は世代を越えるーシワプラブ

​​紫波町には、自分が持つ
「好き!」「やりたい!」という気持ちを
原動力に活動をしている方々が沢山いる。

そんな方々の大切なたからものを
見せていただく気持ちでお話を伺うコーナー
【ツバメのたからもの】。

紫波町、日詰商店街にあるコミュニティカフェ「ミルクホールマイカ」さんの、閉店時間を過ぎた夜の店舗内で、大人3名と中学生1名が椅子を並べてもくもくと作業していた。

彼らこそが「シワプラブ」。

この日、メンバーは主にガンダムのプラモデル(通称:ガンプラ)を組み立てていた。

10代、30代、50代が肩を並べて作業する

世代を越えてガンプラでつながる

佐藤 いま僕は50歳ですが、小学生のときにガンダムの放映が始まり、みんなが見ていて、ガンダムを知らないと言うわけにいかないくらいの雰囲気がある世代ですね。模型店にいくと、それ以前はプラモデルといえば戦車や戦闘機、車とか戦艦とか……乗り物が多かったんですが、ガンプラが発売されて全国の小中学生が狂喜して。金曜日に入荷するらしいぞ!とか情報を仕入れるんですが、人気でほぼ買えないくらいでした。

高橋 今、コロナ禍の中でおうち時間が増えて、プラモデルを作る人が増えましたよね。ブーム再燃のおかげでプラモが品薄になって、少し落ち着いたところですかね。

佐藤 今はガンプラをやっていますが、僕は子供の頃から、プラモとしての本業は飛行機なんです(笑)。空を飛ぶものが子供の頃から好きで。大人になると買えるようになると、どんどん買っちゃうんですよね。でも子供のころと引き換えに時間がない。だから買うだけ買って家に山ほど積んであってたまる。家族にもここはプラモデル屋か?って言われるくらい、積んでるんですよ。

高橋 いわゆる『積みプラ』ってやつですね(笑)。

ひとまわり大きいMGモデルを組み立てていく佐藤さん

つ、積みプラ!?

本を読まずに積んでおく、「積読(つんどく)」のようなものですか…!?

檜山 人づたいに高橋さんがガンプラ好きだと知って話していたら、家に積みプラがある、という話になって、「わかる!」と盛り上がって(笑)。
みんなで集まって積みプラを作る会をしよう!となったんです。

組み上げたガンプラをうっとり眺める檜山さん

「積みプラ」の解消がシワプラブのはじまり

高橋 家で広げると、なかなか生活スペースの中で細かい作業するのが難しかったり。一人ではモチベーションが上がらなかったりしますし。そんな趣味を持っていて、家にプラモを積んでるお父さんもいるだろうな、と思ったんですよね(笑)。

僕は今年35歳ですが、子どもの頃はまだ町におもちゃ屋さんがあって。当時のプラモデルは接着剤がないと作れないとか、結構難しかったんですよね。僕が中学生くらいのときから作りやすいモデルが出始めた気がします。

お気に入りの動画を見ながら作業する福士惺徠さん

檜山 僕が今作っているのがHG(ハイグレード)で、佐藤さんが作ってるのはMG(マスターグレード)と言って、スケール(縮尺)も難易度も違うんです。MGは1/100で一回り大きくて、その分細かいパーツが多くて組み立てにも時間がかかる。中学一年生の彼が今やっているのはEG(エントリーグレード)という、工具もいらない、パズル感覚でできる組み立てやすいものですね。最近はコンビニで売ってたりもするんですよ!

福士 去年の12月にシワプラブがはじまったときにはじめてガンプラを作りました。初めて作ったのがこの紫のもので、そのときは小6でした。そこから少しずつ色々作ってます。

向かって左のガンプラは小6の時に初めて作ったもの
右はこの日に作ったもの

檜山 説明書の見方が難しかったりするんですよね。一人で作ってみて詰まってしまうともったいないし、一緒にやり方を考えられるのはいいですよね。

大人たちが見守りつつ、わからなくなったところを聞いたりできる

檜山 場所を提供してくださっていて、惺徠くんのお母さんでもあるミルクホール マイカの福士麻未(ふくしあさみ)さんが、「寿司プラモ」を店頭で見かけて買ってきてくれたんですよ。僕はついガンプラを買ってしまうので、こういうのは逆に新鮮でした(笑)。

高橋 結局僕が作ったのですが、米とイクラを一粒ずつ組み立てるのは、結構な大変さでした(笑)。

一見プラモデルには見えないイクラの輝き

高橋 シワプラブで毎週作っていったら、家にある積みプラの在庫が少なくなってきて……そろそろ補充しないといけないかな…!

檜山 みんなで一緒に買いに行ったりしたいですね!

佐藤 僕はちなみに去年、家にある積みプラを数えてみたんですけど、これから毎週作っても死ぬまでに作れない、ということがわかりました(笑)。

檜山 佐藤さんのためにも、シワプラブ、できるだけ長く続けないといけませんね…!(笑)

新潟・燕三条で作られている「アルティメットニッパー」や、
誤って組んだパーツを開ける「オープナー」などの
プラモ道具も揃えている大人たち

「シワプラブ」はカタカナなんですね。

高橋 カタカナの方が、「プラモデル」みたいな響きになっていいなと。

檜山 「ラブ」もかかってるんでしょう?と言われて、「そうです!」と言いましたがちょっと後付けです(笑)。

惺徠さんはガンプラを仕上げた後、お店のソフトクリームとガンプラを並べて撮影していた
シワプラブメンバー
左から、高橋和久(たかはしかずひさ)さん、檜山雄介(ひやまゆうすけ)さん、
佐藤元(さとうげん)さん、福士惺徠(ふくしせら)さん

家で眠らせていた「たからもの」が、出会いによってよみがえり、今の楽しさにつながる。

おしゃべりしながらも手元は止めずに、そして一つ一つ、着々と仕上げていく時間が楽しいと、

作業している背中が語っている気がしました。

話を聞いた人

シワプラブ

「会社帰りに集まってプラモデルを作ろう」をコンセプトに、2021年12月より活動を開始。
地域情報団体「しわりり」メンバー・ひやまさんと、
オガールの紫波マルシェ内にある「Potato deli Mameta」の高橋さんを中心に結成。
「吾妻嶺酒造店」蔵元の佐藤さんも参加している。

お問い合わせは しわりり・ひやま まで。
「しわりり」Twitter: https://twitter.com/shiwarir

記事を書いた人

あまのさくや

紫波町とチェコ共和国が好きな、絵はんこ作家・エッセイスト。
エッセイ本『チェコに学ぶ「作る」の魔力』を2022年5月刊行。

紫波町で出会った面白い人たちに話を聞くPodcastも配信中。

「移住ZINE」: https://www.instagram.com/zine_relocate/