夢見るつばめ vol.2

唎酒師公務員は、酒の夢を見る。

酒は、造りの現場と、
造っている人を知るとより一層美味しく感じる。

紫波町は酒で、1つになることができる。
そう、本気で信じている。

こんにちは。つばめの森編集部の須川です。

突然ですが、皆さんは今の自分の仕事が好きですか?

楽しく働けていますか?

私は今の仕事が大好きで、毎日楽しく働かせていただいています。とても幸運なことです。

実際、自分の仕事が好きだと言える人って、実は多くないですよね。
まして、好きな事を仕事にできている人なんてほとんどいないのではないでしょうか。

私は、7年前に現在の企画課に配属されて地方創生の担当をすることになった際、当時の上司に、「須川くんは自由な発想で事業を組み立ててほしい」と指示を受けました。

当時の上司がどのように考えてその指示を私に出したのか定かではありませんが(笑)、その言葉を真に受けた私は「自由にやれるなら好きな事から始めよう!」と思い、興味のあった酒の分野について考え始めました。

気軽に決めたことでしたが、実は色々と考えると酒産業は紫波町の特徴的な産業であることに気が付きます。紫波町は南部杜氏発祥の地という歴史を持ち、100年以上続いている酒蔵が4つあります。
また、県内屈指のブドウの産地として、町内産ブドウのみを使用したワイナリーがあるほか、同じく町内産リンゴのみを使用したサイダリーもあります。

「人口3万3千人の小さな町で、ここまで多種多様な酒造事業者が密集しているのは全国でも珍しくないか?」と改めて驚きます。

そしてこの酒産業をより一層魅力的なものにするには…?と、若者の力でさらに盛り上げていきたい!とスタートさせたのが「SAKE TOWN SHIWAプロジェクト」です。

イベントを盛り上げるインターン生

SAKE TOWN SHIWAプロジェクトから生まれたもの

このプロジェクトでは、主に酒造事業者への大学生インターンシップの受け入れを行っていました。夏休みや春休みの期間を使って、県内外の学生に紫波町に住み込んでもらい、酒造事業者のもとで社員のように働き、会社が抱えている課題を若者ならではの視点で解決しようとするものです。

この取組みから生まれた成果の1つが、日詰商店街の藤屋食堂の酒粕生クリームのフルーツサンドです。生クリームに酒粕を混ぜるという斬新な発想と、それをフルーツサンドという流行商品に仕上げるという意外性で多くのメディアに取り上げられ、今では食堂の看板商品の1つと言っても過言ではないほどの人気になっています。

酒粕生クリームのイチゴサンド

この事例のように、「酒」を切り口に物事を考えていくと、実は色々な分野と繋がり、連携することもできる。

これは、紫波町の酒造事業者が多種多様で地域密着であることや、南部杜氏発祥の地という歴史と伝統を有していることなどが大きく関係していて、本当に紫波町特有の個性だと思っています。

そして、紫波町は酒で1つになることができる!と本気で思います。

自分が魅せられた、紫波の酒の魅力を広めたい。

そんなこんなで、紫波町の魅力的な酒たちと戯れる日々を過ごしているうちに、自分自身が酒の世界にはまっていきました。

酒好きが高じて、昨年4月に「唎酒師(ききざけし)」の資格を取得しました。


昨年11月には、町内にある「廣田酒造店」で週末に蔵人の見習いをさせていただき、酒造りの現場をほんの少しだけ学ばさせていただり。役場でのインターンシップをきっかけに、紫波のお酒にハマってしまった大学生も巻き込んだり。

そして現在は「紫波町役場の酒担当」を自称しております。
自分の好きな事を生かしながら、酒産業が盛んである紫波町の個性をどんどん伸ばしていきたい!と思いながら仕事をしています。

紫波の酒造事業者さんと一緒に

一方で、地元の学生に聞いても、紫波町の酒産業についてあまりにも知られていないことを知り、「紫波の酒と酒を造る方々の魅力を少しでも多くの方に知ってもらいたい!」という思いがますます膨らんでいきました。そして、「自分も一緒に楽しみたい!」という思いも。

というわけで、酒にまつわるコミュニティを立ち上げたいと思っています。

このことを周囲に言いふらしていたところ、嬉しいことに入会希望を宣言してくださる方が男女問わずすでにいらっしゃいました(笑)。

活動内容はコロナの様子を伺いながらということになると思いますが、いつかみんなで酒を楽しむ会を開催したり、酒造りの現場を見学したり、知識を深め合ったりする機会を作りたいと考えています。

酒は、造りの現場と、造っている人を知るとより一層美味しく感じます!
これは断言できます。

好きな事を生かして活動するって、すごく難しい印象を持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、共通の趣味を持つ人たちはすぐに意気投合しますし、そのような方々は沢山いらっしゃいます。

仕事でもプライベートでも構いません。「酒」というキーワードに反応し、ちょっと心がウキウキしてしまったそこのあなた。

是非一緒に活動しましょう。まずは気軽な飲み会からいかがでしょうか?

この記事を書いた人

・須川翔太(スカワショウタ)

紫波町出身、在住。紫波町役場に勤務。酒好きが高じて唎酒師の資格を取得。
酒のことしか投稿しないinstagramもやっています。

Instagram: https://www.instagram.com/shota_sukawa/
Twitter: https://twitter.com/6_skin